本格的に料理をする奥様のために、料理をするのが楽しくなるようなプロ仕様の動線設計を意識して設計しました。機器も、オーブンはガスとスチームの2台、クックトップはIHとガスの両方、さらにグリルも入れて、あらゆる設備を搭載。
空間全体については、オーナーからは、「石を使いたい」というリクエストだけいただいていました。そこで、イタリア本社のデザイナー、アルベルト・ミノッティからの提案で、「白の鏡面の扉」と「天然石」をベースに壁も含めてすべてをデザインしました。
まずキッチン空間自体は広く天井も高いので、収納キャビネットは石ではなく壁の白に合わせ、白の鏡面仕上げのパネルにして明るくエレガントな印象に。水栓金具や照明のデザインとの調和を考慮しています。キッチンの石まで白だとかえってクリーンでモダンになりすぎてしまうので、あえてナチュラルな雰囲気のディストレットグレーという石で色に変化をつけました。
キッチンスペースの広さに合わせてアイランドを設計すると長さが5mになってしまいます。さすがにそれでは奥様が一人で料理をするのに不便ですので、アイランドを少し短くして、その代わりに左右にダイニングテーブルとワゴンを設置することで、ワイドのバランスを取りました。奥様にとっては、1日の大半の時間を過ごす大切な場所ですので、使いやすさ、心地よさを最優先に考えながらも、見た目の美しさも実現しました。